HISの出世払いは今も使える?請求が来るのは最大7ヶ月後です

HISの出世払いは今も使える?請求が来るのは最大7ヶ月後です

「HIS 出世払い」で検索して公式サイトを開いたのに、それらしい説明ページが見つからない。この記事を開いたあなたは、いままさにその状態だと思います。実は、説明は公式サイトにあります。HISの学生旅行ページに、主な条件が書かれた案内が載っています。ただしそれは1枚の画像の中に描かれています。だから検索しても、文字としては出てきません。

先に結論をお伝えします。

2026年8月16日の時点で、HIS公式の学生旅行ページから出世払いの説明画像が開けますし、HISは2026年2月20日の公式発表で、今年の利用件数が前年より大きく増えたと報告しています。中身は、旅行代金の支払いを最大7ヶ月後まで延ばせて、そのあいだの手数料はHISが負担する仕組みです。

ただ、この記事では、よくある「メリット・デメリット一覧」は書きません。

その代わりに、お金が動く日と金額を最初から最後まで説明します。なんでかと言うと、出世払いで本当に大事なのは「請求がいつ、どんな状況の自分に届くか」が一番知りたい内容だと思うからです。「出世払い」という名前から想像する「就職して余裕ができてから払う」と、実際の「決済した月から最大7ヶ月」のあいだには、思っているより大きな差があります。

ぜひ参考にして、素敵な卒業旅行を楽しんでください。

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公式の説明は、ページの文字ではなく画像1枚の中にあります

「検索しても出てこないなら、もう終わった制度なのでは」と考えるのは自然です。ですが実際は逆で、説明は公式サイトに今も載っています。2026年8月16日に確認したところ、HISの学生旅行ページには、出世払いの説明を開けるリンクがありました。

学生旅行のトップページから開ける画像に、こう書かれています

出典は、HIS公式サイトの学生旅行ページで公開されている出世払いの説明画像です。

HIS 出世払い

引用の中の空白は、画像の表記のままです。

冒頭に「社会人になったら自分で稼ぎます!『出世払い』」という見出しがあり、続けてこう説明されています。

出世払いとは… 今、お金はないけど卒業旅行の思い出を作りたい。でも、人の力は借りたくない…

と、思っている学生さんに向けた 旅費を社会人になってから支払う サービスです。

最大7ヶ月後にクレジットカードの引き落とし設定ができるので、7ヶ月後☆

社会人になってバリバリ稼いでいる 未来の自分に前借り ができちゃうんです!

その下に、条件をまとめた3つの吹き出しが並んでいます。

  • 「旅行のお支払いは最大7ヶ月後でOK!」。小さな注記で「※1ヶ月単位で自由に期日を決められます。」
  • 「支払い月までの手数料はHISが負担」
  • 「HISプランのどの旅を選んでもOK!」

この3つで、いつ払うか・手数料はどうなるか・どの旅で使えるかという、太い幹にあたる条件が決まります。続いて「How to Use」として、使い方が4つの段階で示されています。

  1. Step1「旅行の申し込み時にHISのクレジットカードに入会する」
  2. Step2「カード会社の審査後 自宅にクレジットカードが届く」
  3. Step3「HIS店舗で代金のお支払い」。「※代金は最大7ヶ月後に引き落とされます。」
  4. Step4「いざ、旅へ」

4段階のうち、あなたが自分で動くのはStep1とStep3の2回だけです。そして、公式の説明画像はこのStep4で終わっています。受付期間も、対象になる学年も、対象カードの正式名称も、この画像には書かれていません。

つまりここに出てこない条件は、店頭で聞くしかありません。その質問リストは、あとの章にまとめました。

HISの発表では、利用件数が前年の1.78倍に増えています

HISが2026年2月20日に出したプレスリリース(報道向けの公式発表)に、次の一文がそのまま書かれています(HIS公式プレスリリース、2026年8月16日確認)。

HISが学生向けの施策として実施している、旅行代金の支払いを最大7ヶ月後まで手数料無料で先に延ばすことができる「出世払い」については、今年の利用件数は前年比178.5%と大幅に増加しております。

前年比178.5%、つまり前の年の1.78倍です。利用が増えているかどうかと、あなたが使っていいかどうかは別の問題なので、この数字は「制度が動いている証拠」として挙げるにとどめます。

出世払いは「就職してから払う」ではありません。決済した月から最大7ヶ月です

ここからが制度の中身です。この章の理解がずれると、あとで実際にお金で損をする可能性があるので、少し丁寧に書きます。

起点は旅行に行った日ではなく、旅行代金を決済した日です

出世払いは、HISのカードで旅行代金を払ったときの「決済月」を、最大7ヶ月あとまで延ばせる仕組みです。HIS営業所の紹介ページ(2016年掲載で、現在も閲覧できます)には、HIS発行のカードで決済した人が、決済月を最大7ヶ月・手数料なしで延長できる制度だと説明されています(2026年8月16日確認)。10年前の記載ですが、仕組みが今も変わっていないことは現在の公式の説明画像でも確認できます。使い方のStep3に「※代金は最大7ヶ月後に引き落とされます。」という注記があり、起点が支払いの時点である点も一致しています。

大事なのは、7ヶ月のカウントが始まるのは決済した日だという点です。旅行に出発した日でも、帰ってきた日でも、就職した日でもありません。たとえば12月にツアー代金を決済して3月に旅行するなら、起点は12月です。そこから最大7ヶ月なので、請求は翌年7月ごろまでに届く計算になります。

待ってもらっているあいだの手数料は、HISが負担します

支払いを先に延ばして、そのあいだ手数料を取らないことを「据え置き」と言います。出世払いの据え置き期間は、利用者に手数料がかかりません。誰がその分の費用を持っているのかにも、公式の説明画像が答えを出しています。3つの吹き出しの2番目に「支払い月までの手数料はHISが負担」と明記されています。2026年2月の公式発表にある「手数料無料で先に延ばす」という表現とも一致します。なお「出世払い」はHISの案内で使われてきた呼び名で、カード会社(オリコ)の公式な支払方法の一覧には、今回確認した範囲ではこの名前の項目は見当たりませんでした。

つまり、20万円のツアーなら請求も20万円のままです。延ばしたことによる上乗せはなく、その費用はHISが持つと公式が明記しています。あとの章で他の方法と並べると、この「0円」の意味がはっきり見えてきます。

「出世払い」という名前から想像するものとの違い

「出世払い」という言葉からは、就職して、給料に余裕が出てから払えばいい、という制度を想像すると思います。ですが実際は、決済した月から機械的に最大7ヶ月です。機械的というのは、この上限が動かないという意味です。上限までの範囲でいつ払うかは自分で選べますが、就職先がまだ決まっていなくても、働き始めるのが遅れても、7ヶ月という上限は動きません。

HIS自身は、説明画像の中でこの仕組みを「社会人になってバリバリ稼いでいる 未来の自分に前借り ができちゃうんです!」と紹介しています。一方で、卒業旅行の決済が集まる11月から1月に決済して7ヶ月いっぱいまで延ばすと、請求が届くのは入社から3〜5ヶ月目です。その時期の給料と手取りがどうなっているかは、あとの章で数字を並べます。ここでは、画像の言葉と実際の日付を隣に置くところまでにします。

言い換えると、これは「出世するまで待ってくれる」制度ではなく、「7ヶ月だけ待ってくれる」制度です。その7ヶ月が自分にとって十分な長さなのかどうかは、次の章で日付を並べるとはっきりします。

卒業旅行20万円、お金が動く日と金額を全部並べました

ここからは、20万円のツアーを例に、申し込みから請求までのお金の動きを時間の順に並べます。なお20万円という金額は、2026年8月16日時点のHIS学生旅行ページの掲載価格で言うと、韓国・台湾・セブ島など近場アジアの中〜上位の価格帯です。同じページでグアムは139,800円から、バルセロナとパリを回る7日間は229,800円からなので、行き先に合わせて読み替えてください。

カードを申し込む日:財布から出るお金は0円です

出世払いを使うには、HISのクレジットカードでの決済が前提です。順番は公式の説明画像が示していて、使い方のStep1が「旅行の申し込み時にHISのクレジットカードに入会する」、Step2が「カード会社の審査後 自宅にクレジットカードが届く」です(カードの詳しい話はあとの章でまとめます)。カードは満18歳以上なら学生でも申し込めますが、審査があります。年会費は初年度無料なので、申し込みの時点で財布から出るお金はありません。

注意したいのは時間の方です。公式の順番どおり旅行の申し込みと同時に入会する場合でも、カードが届くのは審査と発送のあとで、すぐ手元に来るわけではありません。決済したい日が近いなら、審査と発送にかかる日数を見込んで早めに動いてください。かかる日数はカードの章に書きました。

ツアー代金を決済する日:ここが7ヶ月の起点です

届いたカードでツアー代金20万円を決済します。公式の使い方でStep3「HIS店舗で代金のお支払い」にあたる場面です。この日が、出世払いのすべての起点です。卒業旅行は2月・3月出発が中心なので、申し込みと決済は11月から1月に集まりやすくなります。決済した月ごとに、7ヶ月いっぱいまで延ばした場合の請求の目安を並べるとこうなります。

決済した月請求が届く目安(最大7ヶ月後)そのときの自分
11月翌年6月ごろ社会人3ヶ月目
12月翌年7月ごろ社会人4ヶ月目
1月8月ごろ社会人5ヶ月目

7ヶ月は上限で、支払う月は自分で選べます。公式の説明画像の吹き出しに「※1ヶ月単位で自由に期日を決められます。」という注記があるからです。3ヶ月後でも5ヶ月後でも設定できます。ここから実用的な話がひとつ出てきます。いっぱいまで延ばすのが常に得とは限らない、という点です。利用者の手数料はどの長さでも0円のままなので、表の「そのときの自分」の列を見ながら、払える見込みが先に立つ月があるなら、そこへ合わせて短く設定する選び方もあります。

出発までに現金で払うもの(出世払いにできないお金)

卒業旅行の出費は、ツアー代金だけではありません。次のお金は旅行代金の決済とは別なので、出世払いでは延ばせない前提で用意してください。

まずパスポートです。18歳以上が作れるのは10年用のみで、2026年7月1日以降の申請分から、オンライン申請なら8,900円、窓口申請なら9,300円です(外務省・神奈川県公式ページ、2026年8月16日確認)。次に、ツアー代金に含まれない費用があります。HISの海外ツアーは、ツアー代金のほかに現地税(渡航先の出入国税や、空港の利用にかかる税金)と日本国内の空港施設使用料が必要で、燃油サーチャージ(航空会社が運賃とは別に集める燃料代の上乗せ分)は多くの商品に含まれるものの、一部含まれない商品もあります(HIS公式のよくある質問、2026年8月16日確認)。

さらに、日本を出国する人にかかる国際観光旅客税(いわゆる出国税)が、2026年7月1日から3,000円に引き上げられています(観光庁、2026年8月16日確認)。これがツアーのどの費目に入るのかはHISの説明に明記が見つからなかったので、支払いの内訳は申し込み時に確認してください。海外旅行保険も旅行代金には含まれず、入るなら別払いです。

出発:現地で使うお金は出世払いになりません

現地での食事・買い物・移動のお金は、旅行代金の決済とは別です。現金で持っていくなら先に用意することになりますし、HISのカードで払う場合でも、海外での利用分は、申し込み時に指定した1回払いか、リボ払い(毎月の支払額を一定にして、残りを次の月へ繰り越す方式)になります(HIS公式ページ、2026年8月16日確認)。つまり現地の出費は出世払いの外側で、ふつうのカード利用として後日請求されます。

ここを混ぜてしまうと、「旅行のお金は全部7ヶ月後でいい」という誤解になります。延ばせるのはツアー代金の決済分だけ、と覚えておいてください。

4月、入社。ここではまだ請求は来ません

3月に旅行から帰ってきて、4月に入社します。この時点で、出世払いの請求はまだ届いていません。最初の給料も入り始めます。ただし手取りの中身は次の章で見るとおり、額面どおりではありません。

ここが実は、いちばん危ない時期だと思います。請求がまだ来ていなくて、給料が入り始めると、20万円の借りがあるという実感が薄れていくからです。請求は消えたわけではなく、あとから必ず届きます。

決済から最大7ヶ月後:20万円の請求が届く日

12月に決済していれば、翌年7月ごろまでに請求が届きます。出世払いは決済月をまるごと後ろに延ばす仕組みなので、届く請求は20万円そのままです。据え置きが明けたあとに分割へ変えられるかは、今回確認できた範囲には見当たらなかったので(店頭で聞く質問リストの7番に入れてあります)、分割で少しずつではなく、一度に引き落とされる前提で考えてください。手数料は0円なので、金額が増えることはありません。

このとき、あなたは社会人4ヶ月目です。7月の給料から20万円を払えるかどうか。出世払いを使っていいかどうかは、結局この一点に集約されます。そこで次の章では、新社会人の手取りがこの時期にどうなっているかを見ます。

日付と金額の並びは以上です。実際のツアー価格や今シーズンの案内は、HISの学生旅行ページで確認できます。

請求が届くのは、貯金がまだ積み上がっていない時期です

厚生労働省の統計では、大学卒の初任給は26万2,300円です(令和7年賃金構造基本統計調査、2026年8月16日確認)。ただしこれは「額面」、つまり税金や保険料が引かれる前の金額です。実際に口座に入る手取りはここからいくつか引かれたあとの金額で、何が引かれるかは入社からの月数で段階的に増えていきます。

まず雇用保険料は、最初の給料から引かれます。毎月の給料の金額に料率を掛けて、その都度計算される仕組みだからです(厚生労働省の資料、2026年8月16日確認)。厚生年金の保険料は、入社した月の分から発生します(日本年金機構、2026年8月16日確認)。健康保険も同じ月単位の考え方です。多くの会社では前の月の分を翌月の給料から引く運用なので、給与明細で引かれ始めるのは2ヶ月目からが一般的です(協会けんぽの規定は「前月分の保険料を控除することができます」という書き方で、扱いは会社によって異なります。2026年8月16日確認)。これらに加えて、所得税の天引きもあります。

ひとつだけ、新社会人に有利な点もあります。住民税です。住民税は前の年の所得に対してかかる税金なので、学生時代の所得が少なければ1年目は原則かからず、引かれ始めるのは2年目の6月からです(東京都主税局、2026年8月16日確認)。つまり出世払いの請求が届く1年目の6〜8月は、住民税が引かれていない分だけ、目減りの小さい時期ではあります。

手取りが額面からいくら減るかは、住んでいる地域や会社の制度で変わるため、この記事では金額を断定しません。実額は、内定先からもらった労働条件の書類か、入社後の最初の給与明細で確かめてください。確かなのは、額面のまま口座に入るわけではないことと、請求が届く社会人3〜5ヶ月目が、引っ越しや通勤定期などの出費が続いたあとで、貯金のまだ積み上がっていない時期だということです。そこに20万円の請求が一括で届く。これが、日付で見た出世払いの正体です。

旅行代を後ろにずらす方法は、出世払いのほかに4つあります

支払いを後ろに延ばす方法は、出世払いだけではありません。ここでは20万円を延ばした場合に、いくら上乗せされるかで5つの方法を比べます。表に出てくる「実質年率」は、借りているお金の残高を1年あたりに直したときの手数料の割合です。回数が少ないほど率が高く見えることもありますが、実際に払う金額は借りている期間の長さで決まるので、負担の比較は真ん中の列の金額でしてください。

5つの方法を20万円で比べた表

方法20万円に上乗せされる手数料備考
HISの出世払い0円決済月から最大7ヶ月の据え置き。手数料無料(HIS公式発表・2026年2月20日付)
カードのボーナス一括払い0円TAViCAでのHISの支払いでは選べない。JCBなど他のカードの場合、夏払いは12月16日〜6月15日の利用分が8月10日払い。海外での利用は対象外(JCB公式)
オリコカードの分割払い(TAViCAへの適用は要確認)3回で4,920円、10回で16,400円、24回で39,360円オリコ公式の手数料率表(3回以上は実質年率14.8〜18.0%)から計算。同じ表に「カード種類により異なる場合がございます」との注記があり、TAViCA専用の手数料表は今回確認した範囲では見当たりませんでした
HISトラベルローン学生向けの金利で実質年率8.98〜9.35%と事務手数料2,200円(回数と期間で総額が変わるため、円では一律に出せません)店舗申込限定。出世払いとは別の商品(HIS公式)
近畿日本ツーリストのスキップ分割払い据え置き期間に月1.0%の手数料就職予定の学生専用。初回支払いを就職後の5月まで最大12ヶ月据え置き(近畿日本ツーリスト公式)

いずれも2026年8月16日に各公式ページで確認した内容です。分割払いの金額は、オリコ公式の「100円あたりの手数料額」(3回2.46円・10回8.20円・24回19.68円)に20万円を当てはめて計算しました。ただしこれはオリコカード全体の一般的な表で、同じページに「カード種類により異なる場合がございます」と書かれています。TAViCAにこの率がそのまま当てはまるかどうかは今回確認した範囲では分からなかったので、実際の手数料は申し込みのときに確認してください。

手数料が0円なのは、出世払いとボーナス一括払いの2つだけです

表のとおり、上乗せが0円で済むのは出世払いとボーナス一括払いだけです。ただし先に注意がひとつあります。HISの旅行代金をTAViCAで払うときに選べるのは、1回払い・3回以上の分割・リボ払いの3つだけで、2回払いとボーナス払いは選択肢に出てきません(HIS公式ページ、2026年8月16日確認。HIS以外の国内のお店でTAViCAを使うときは選べます)。つまりボーナス一括払いという道は、TAViCA以外の手持ちのカードでHISに払う場合の話です。そのボーナス一括払いは、夏か冬のボーナス時期にまとめて払う方式で手数料はかかりませんが、制約があります。JCBの場合、夏払いの対象は12月16日から6月15日までの利用分で、支払日は8月10日に固定され、海外では利用できません。しかも11月16日から12月15日の利用分は、夏払い・冬払いのどちらの対象にもなりません(JCB公式、2026年8月16日確認)。卒業旅行の決済が集まる時期と、ちょうどかみ合わないことがある点に注意してください。

分割払いには手数料がはっきり乗ります。オリコの一般的な手数料表で20万円を10回に分けると16,400円、24回だと39,360円の上乗せで、24回はほぼ2割増しです。オリコの手数料表では、2回払いと、ボーナス一括・二括(ボーナス月に1回または2回で払う方式)も手数料0円とされていますが(オリコ公式、2026年8月16日確認)、いま見たとおりHISの旅行代金の決済では、この選択肢自体が出てきません。手数料が乗るのは3回以上の分割とリボ払いで、リボ払いは残っている金額に対して実質年率18.0%の手数料がかかり続けるので(オリコ公式、2026年8月16日確認)、支払いを延ばす目的で選ぶと、この中でいちばん高くつきます。

同じ仕組みでも、近畿日本ツーリストは月1.0%の手数料がかかります

「就職するまで支払いを待ってもらう」発想自体は、HISだけのものではありません。近畿日本ツーリストには就職予定の学生専用の「スキップ分割払い」があり、初回の支払いを就職後の5月まで、最大12ヶ月据え置けます。ただし据え置き期間には月1.0%の手数料がかかり、未成年や学生には連帯保証人(本人が払えないときに、代わりに支払う義務を負う人)も必要です(近畿日本ツーリスト公式、2026年8月16日確認)。20万円を6ヶ月据え置くと、単純な掛け算で約12,000円になります。

JTBと日本旅行には、同じような学生向けの後払い制度を公式ページで確認できませんでした。JTBの「分割払い」は、自分のクレジットカードの分割機能を使う仕組みです(JTB公式、2026年8月16日確認)。据え置き期間の手数料を取らない出世払いは、同じ種類の制度の中では条件がいい方だと言えます。

分割払いを使うなら、学生の手数料が戻るカードがあります

どうしても分割払いになる場合は、手数料の戻りがあるカードを知っておいてください。三井住友カードの発表によると、対象カードで分割払いを使うと手数料の全額相当をポイントで戻す学生向けの仕組みが2022年2月から続いていて、2026年2月1日に「リワードアップU25」という名前に変わり、対象が25歳以下に広がりました。ただし分割手数料の全額還元は、職業を「学生」と申告している25歳以下の人に限られ、還元は1枚あたり月50,000ポイントまでです(三井住友カードのプレスリリース、2026年8月16日確認)。

出世払いと違って旅行会社を選ばないので、HIS以外で予約する人には、こちらの方が現実的な選択肢になります。学生向けカードの選び方は学生向けクレジットカードの記事にまとめてあります。

出世払いの決済に使うとみられるカード(TAViCA)で、先に知っておくこと

出世払いの説明が残っている2016年のページでは、対象はHIS発行のカード(当時の名前はスカイウォーカーカード)での決済とされていました。スカイウォーカーカードは2024年12月20日にTAViCAという名前に変わっています(HIS公式発表、2026年8月16日確認)。いまの出世払いの対象カードがTAViCAであることの明記は見つかっていないので、申し込み前に店頭で確かめる前提で、ここではカード自体の事実を並べます。

発行はオリコ。学生でも申し込めますが審査があります

TAViCAにはHISの名前がついていますが、発行と審査を行うのはオリコ(オリエントコーポレーション)というカード会社です。満18歳以上であれば学生でも申し込めますが、審査はカード会社の判断で、基準は公開されていません(HIS公式のよくある質問、2026年8月16日確認)。国際ブランド(世界のどのお店で使えるかを決める決済の仕組み)は、MastercardとVISAから選べます。

なお2022年4月の成人年齢引き下げにより、18歳以上なら親の同意がなくてもクレジットカードを作れるようになっています(JCB公式の解説、2026年8月16日確認)。ただし18歳でも高校生のうちは申し込めないカードが多い、という点は覚えておいてください。

年会費は初年度無料。2年目も、旅行代を払えば無料になります

年会費は初年度無料で、2年目以降は1,400円(税込)です。ただし年間10万円以上使えば、次の年度も無料になります(HIS公式ページ、2026年8月16日確認)。卒業旅行で20万円を決済すれば、この条件は自動的に満たします。

つまり、出世払いのために作って旅行代を払う分には、2年目の年会費も実質かからない計算です。考えどころが来るのは旅行が終わった3年目以降で、そのときに使い続けるか解約するかを決めれば十分です。

海外旅行保険は「利用付帯」。持っているだけでは効きません

カードの海外旅行保険には、持っているだけで有効になる「自動付帯」と、旅行代金をそのカードで払って初めて有効になる「利用付帯」の2種類があります。TAViCA(一般カード)は利用付帯です(HIS公式ページ、2026年8月16日確認)。オリコの規定では、日本を出国する前に、海外旅行のためのパッケージツアー代金か、飛行機などの交通機関の料金をこのカードで払っていることが条件になります(オリコ公式、2026年8月16日確認)。

出世払いでツアー代金をこのカードで決済するなら、この条件は満たしやすい形です。ただし適用は決済の内容やタイミングによるので、申し込みのときに保険が効く条件をあわせて確認してください。補償額は死亡・後遺障害2,000万円、ケガや病気の治療費用が各200万円などです(オリコ公式、2026年8月16日確認)。治療費用の200万円で足りるかどうかは渡航先の医療費しだいなので、HIS自身も出発前の海外旅行保険への加入を勧めています(HIS公式、2026年8月16日確認)。

審査が通ってから手元に届くまで7営業日。申し込みが遅いと間に合いません

カードは、審査に通った日を含めて7営業日で発送されます(HIS公式のよくある質問、2026年8月16日確認)。審査そのものの日数はこれとは別にかかります。順番は公式の説明画像のとおり、旅行の申し込み時に入会するのが基本です。ただし審査と発送にこれだけの日数がかかるので、決済したい日が決まっているなら、間に合うかどうかを申し込みのときに店頭で相談してください。なお、すでに持っているカードでも出世払いに使えるのかは今回確認できた範囲では分からなかったので、次の章の質問リストの8番に入れてあります。

公式の説明はここで終わり。店頭で聞く8つのこと

公式の説明画像で、太い幹は分かりました。最大7ヶ月であること、支払う月を1ヶ月単位で選べること、手数料はHISが負担すること、対象のツアーに制限がないこと。ここまでは、店頭で聞き直す必要がありません。ですが画像はStep4で終わっていて、この先の細かい条件はどこにも書かれていません。だから残りは、聞くしかないのです。店頭でそのまま読み上げられる質問リストにしておきます。

  1. 今期の出世払いの受付は、いつからいつまでですか
  2. 対象になるのは何年生ですか。年齢の条件はありますか
  3. いま出世払いの対象になるカードは、正式にはどのカードですか
  4. オンライン予約でも出世払いは使えますか。店舗での手続きが必要ですか
  5. 旅行代金に下限はありますか
  6. 私の場合、引き落としは何年何月何日になりますか。その日に口座のお金が足りなかったら、どうなりますか
  7. 据え置きが明けたあとで、分割払いに変えられますか
  8. すでに持っているカードでも、出世払いに使えますか

4番は、公式の使い方のStep3が「HIS店舗で代金のお支払い」となっているために出てくる質問です。店舗で払う流れだとすると、オンライン予約と組み合わせられるのかどうかが、今回確認できた範囲では分かりませんでした。6番の引き落とし日は、必ずこの文のまま聞いて、答えを紙に書いてもらってください。この記事の表はあくまで目安で、あなたの引き落とし日を確定できるのは店頭だけだからです。質問リストを持って行く店舗は、HISの学生旅行ページからたどれます。

カードの審査に落ちても、卒業旅行は諦めなくて大丈夫です

審査はオリコの判断なので、申し込めば必ず通るというものではありません。ただ、落ちた場合でも卒業旅行そのものを諦める必要はありません。取れる手を3つ並べます。

ひとつ目は積み立てです。20万円を出発までの6ヶ月で割ると、月およそ33,400円ずつになります。9月に旅行を決めて2月出発なら、ちょうどこのくらいの期間があります。残りが4ヶ月なら月5万円です。ただの割り算ですが、請求に追いかけられない唯一の方法でもあります。

ふたつ目は、行き先ごと金額を下げることです。2026年8月16日時点のHIS学生旅行ページには、ソウル3日間39,800円からという価格帯も載っています。20万円を前提にせず、いま用意できる金額から行き先を選び直す方向です。

みっつ目は、支払い方法です。HISの海外旅行のオンライン予約は、クレジットカードか銀行振込で支払えます(HIS公式のよくある質問、2026年8月16日確認)。銀行振込ならカードがなくても予約できるので、審査に落ちたこと自体は旅行の妨げになりません。そのうえで、時間をおいて、あらためて「初めての1枚」を選び直したくなったときのための記事も用意しています。これは出世払いに使えるカードではなく、初めての1枚を作るときの選択肢です。詳しくは大学生協のクレジットカードの記事で説明しています。

出世払いを使っていいかどうかは、この3つで決まります

判断に必要な数字は3つだけです。旅行代金、上乗せされる手数料、そして請求が届く月の手取りの見込み。この3つを、次の4行に書き込んでみてください。

  1. 旅行代金はいくらですか(例:20万円)
  2. 上乗せされる手数料はいくらですか(出世払いなら0円)
  3. 請求が届く月の、自分の手取り見込みはいくらですか
  4. 1と2の合計は、3の何割にあたりますか

判定の基準はひとつです。4が5割、つまり手取りの半分を超えるなら、「請求が届いた月の給料で払う」という計画は成立しません。家賃や生活費を払いながら、1ヶ月の手取りの半分を超えるお金を一度に出すのは、現実には無理があるからです。

3の手取り見込みは、内定先からもらった労働条件の書類か、入社後の最初の給与明細の実額を書き込んでください。20万円の請求がその半分を超えるなら、取れる道は2つです。据え置きの7ヶ月を「請求日までに毎月貯めておく期間」として使うか、出世払いを使わないか。前者なら、20万円を7ヶ月で割って月29,000円ほどを、入社前から積んでいく計算になります。7ヶ月待ってもらえること自体の価値は変わりませんが、それは「7ヶ月後の給料で払える」という意味ではない。この区別だけは、はっきりさせておいてください。

よくある質問

同じ疑問を持つ人が多い質問を集めました。

HISの出世払いのメリットとデメリット、流れを教えてください

利点は据え置き期間の手数料をHISが負担してくれること、注意点は7ヶ月いっぱいまで延ばすと、請求が社会人3〜5ヶ月目の自分に一括で届くことです。流れは公式の説明画像が4段階で示していて、旅行の申し込み時にHISのカードに入会し、審査後に自宅へカードが届き、HIS店舗で代金を支払い、いざ旅へ、という順番です。店舗で支払う段階に「※代金は最大7ヶ月後に引き落とされます。」という注記があり、この支払いの日が7ヶ月の起点です。引き落としは、設定した月に一度に引き落とされる前提で考えてください。

卒業旅行シーズンの1〜3月出発のものしかダメなのでしょうか

ツアーの側に制限はありません。公式の説明画像に「HISプランのどの旅を選んでもOK!」と明記されています。ただし、対象になる出発日そのものに決まりがあるかどうかは、今回確認できた範囲には記載が見当たりませんでした。卒業旅行シーズンから外れた出発日で使いたい場合は、申し込みのときに「この出発日でも出世払いを使えますか」と、そのまま聞いてください。

クレジットカードとなる訳ですが、審査は厳しいのでしょうか

審査の基準は公開されていないので、厳しいかどうかは誰にも断定できません。確認できているのは、満18歳以上なら学生でも申し込めること、審査はカード会社(オリコ)の判断であることまでです(HIS公式のよくある質問、2026年8月16日確認)。落ちた場合の代わりの手は本文に書いたとおり、積み立て・行き先の変更・銀行振込の3つがあります。

友人数人で行く場合、私だけ出世払いを使うことはできますか

公式の説明画像の読み取れた範囲を含めて、今回確認できた範囲には記載が見当たりませんでした。グループの予約で代表者がまとめて払うのか、ひとりずつ決済するのかで扱いが変わる可能性があります。店頭で「自分の分だけ出世払いにできますか」と、そのまま聞いてください。
クレジットカードの明細で、親に旅行のことがバレませんか
18歳以上は成人なので、カードを作るのに親の同意は必要ありません(JCB公式の解説、2026年8月16日確認)。ただし利用明細が紙で自宅に届く設定だと、家族の目に触れる可能性はあります。明細を紙にするかウェブにするかの選び方はカードや申し込み方によって違い、TAViCAでの扱いは確認できていないので、気になる人は申し込みのときに確認してください。

みなさんはどれくらい貯金を残して卒業旅行に行きましたか

他人の平均がいくらであっても、あなたの請求額とあなたの手取りは変わらないので、自分の数字で決めることをおすすめします。基準は本文の最後に置いた4行のとおりで、請求が届く月の手取りに対して、旅行代金と手数料の合計が半分を超えないことです。超えるなら、貯金を「残す」のではなく、請求日までに「作る」計画に切り替えてください。

7ヶ月後に払えなかったら、どうなりますか

払えなかった場合にどうなるかは、今回確認できた範囲には情報が見つかりませんでした。店頭で聞く質問リストの6番に、引き落とし日の確認とあわせてこの質問を入れてあります。引き落とし日を確定させて、その日までに口座へお金を用意しておくこと、そして払える見込みが立たないなら最初から使わないことが、いちばんの備えになります。

まとめ

出世払いは現役の制度です。

ただし待ってくれるのは「出世するまで」ではなく、旅行代金を決済した月から、自分で設定した月まで、最大7ヶ月です。卒業旅行の決済が集まる11月から1月に決済して7ヶ月いっぱいまで延ばすと、請求が届くのは6月から8月、つまり社会人3〜5ヶ月目の自分あてになります。

その月の手取りで払えるか、あるいは請求日までに積み立てられるか。

この問いに答えが出せるなら、手数料0円で最大7ヶ月待ってもらえるこの制度は、比べた中でも条件のいい選択肢でした。答えを出さないまま、名前の印象だけで使ってしまうことが、唯一の失敗パターンです。細かい条件は店頭の質問リストで確定させたうえで、今シーズンの案内はHISの学生旅行ページから確認してください。